こんにちは、リョウです。
オンラインでサービスを運営していると、マニュアルだけでは判断しきれないケースがよく出てきます。
今回、僕が運営している英語コーチングサービスで、有効期限を迎えた時点で57枚ものレッスンチケットが残っている受講生の方がいました。
1チケット25分なので、50分レッスンなら1回につき2枚使います。
つまり57枚は、約28回分のレッスンに相当します。
数字だけを見ると、
「かなり余っているな」
という状態です。
こういうとき、運営側としては少し迷います。
ルール通りに処理するのか。
長く利用していただいていることを考えて柔軟に対応するのか。
今回は、僕なりにかなり考えました。
この記事では、実際にどのように判断したのかを、オンラインサービス運営のリアルな事例として紹介します。
有効期限が切れた時点で57枚残っていた
今回の受講生の方は、半年プランを利用されていて、週2回・50分のペースで長く受講してくださっています。
ところが、有効期限を迎えた時点で、
57枚のチケットが残っていました。
理由を確認すると、
- 仕事がかなり忙しかった
- 1ヶ月ほど日本へ帰国していた
- 帰国中はWi-Fi環境の問題でレッスンを受けられなかった
という事情がありました。
そして、有効期限が切れてから数日後に繰り越し申請をいただきました。
僕のサービスでは、そもそもチケットの繰り越し申請回数自体に上限を設けていません。
なので、今回も繰り越すこと自体は問題ありません。
ただ、57枚という枚数をそのまま次の半年間に乗せると、別の問題が出てきます。
更新すると、さらに96枚のチケットが追加される
この方が利用している半年プランでは、更新すると96枚の新しいチケットが追加されます。
つまり、
繰り越し57枚 + 新規96枚 = 合計153枚
になります。
週2回・50分の場合、1週間で4枚。
月換算すると約16枚です。
そのため、
153枚 ÷ 月16枚 ≒ 約9.6ヶ月
かかります。
つまり、今まで通りの週2回ペースで受講しても、消化には約10ヶ月必要です。
通常の有効期限をそのまま6ヶ月にしてしまうと、ほぼ確実に再び大量のチケットが残ります。
ここで、
「じゃあ受講回数を増やしてもらえばいい」
という考え方もあります。
でも、僕はそれは少し違うかなと思いました。
サービス側の都合で受講ペースを変えてもらうのは違う
この方はもともと週2回というペースで長く継続できている方です。
それなら、
「チケットが余っているので、しばらく週3回・週4回受けてください」
とするよりも、
今まで続けられてきたペースを崩さないほうがいい。
そう考えました。
オンラインサービスでは、売上や消化率を考えることももちろん大切です。
ただ、継続型サービスではそれ以上に、
その人が無理なく続けられるリズムを守ること
が重要だと思っています。
特に長く利用していただいている方なら、なおさらです。
今回は「57枚すべて繰り越し+有効期限10ヶ月」にした
最終的に、今回は以下の対応にしました。
- 残っている57枚はすべて繰り越し
- 半年プラン更新で96枚を追加
- 合計153枚
- 有効期限を通常6ヶ月から10ヶ月へ延長
- 帰国していた約1ヶ月間は休会期間として対応
10ヶ月という期間は、適当に決めたわけではありません。
現在の週2回・50分という受講ペースを続けた場合に、ほぼすべてのチケットを消化できる期間から逆算しています。
僕としては、この「逆算」がかなり大切だと思っています。
「長く利用してくれているから、とりあえず1年にしよう」
ではありません。
一方で、
「ルールでは半年なので半年です」
でもありません。
現状の利用ペースと残高から、必要な期間を計算する。
このくらいが、運営側と利用者側の両方にとってフェアだと思っています。
「特別対応」は感覚ではなく、理由を持たせる
個人でサービスを運営していると、柔軟に対応できるのは大きな強みです。
大企業のサービスでは、
「システム上できません」
「規約上できません」
で終わってしまうこともあります。
一方、小さな事業では、目の前のお客様に合わせて調整できます。
ただし、何でもOKにすると運営が崩れます。
そこで僕が意識しているのが、
特別対応にも理由を持たせること
です。
今回なら、
長期間利用していただいていること。
帰国期間があったこと。
仕事の都合で一時的に受講が難しかったこと。
そして、現在の受講ペースでは6ヶ月以内に消化できないこと。
こうした条件を総合して判断しました。
単に「かわいそうだから延長する」ではなく、
数字と利用状況を見て決める。
この考え方は、オンラインサービスを長く運営していくうえでかなり重要だと感じています。
帰国期間を「休会」として考えたのもポイント
今回もう一つ考えたのが、日本へ帰国していた約1ヶ月間の扱いです。
海外生活やノマド生活をしているとよくわかるのですが、移動期間は思った以上に生活リズムが崩れます。
ホテルや実家など、滞在先によってはWi-Fi環境が十分でないこともあります。
その期間まで通常利用期間としてカウントするのは少し酷だなと思い、今回は休会期間として扱うことにしました。
僕自身、海外と日本を行き来しながら仕事をしているので、こうした事情はかなり理解できます。
サービス設計では、ルールだけを見るのではなく、
ユーザーが実際にどういう状況で使っているのか
を見ることも大事だと改めて感じました。
Webサービス運営は「ルール」と「人」の間を調整する仕事
今回の件で改めて感じたのは、オンラインサービス運営は、単純に商品を販売する仕事ではないということです。
サービスが長く続けば続くほど、
「規約には書いていないけど、どうする?」
という場面が増えてきます。
そして、その判断の積み重ねが、サービスそのものになっていきます。
僕は、
ルールは必要だけれど、ルールのためにユーザーがいるわけではない
と思っています。
一方で、ユーザーに合わせすぎて運営側が疲弊しても続きません。
だから大切なのは、
ユーザーに寄り添いながら、継続可能なラインを探すこと。
今回でいえば、
「全部繰り越す」
だけでもなく、
「有効期限を無制限に延ばす」
でもありません。
今までの受講ペースを維持したまま消化できる期間を計算して、10ヶ月に設定しました。
こういう小さな判断こそ、Webサービス運営のリアルだと思います。
小さな事業だからできることを大切にしたい
AIや自動化が進み、オンラインサービスはどんどん効率化されています。
僕自身も、自動化できるところはかなり自動化しています。
ただ、今回のようなケースまで完全に自動化してしまうのは少し違う気がしています。
「残り57枚。有効期限超過。自動失効。」
システムとしては簡単です。
でも、その裏には、
仕事が忙しかったことや、帰国していたこと、長く続けてくださっていることがあります。
そこまで含めて判断できるのが、小さなサービスの強みです。
効率化するところは効率化する。
でも、人が判断したほうがいいところは、人が考える。
オンライン事業を長く続けてきて、最近はこのバランスがますます重要になっていると感じます。
まとめ|正解より「納得できる運営」を積み重ねる
今回の対応に、唯一の正解があるわけではありません。
もっと厳しく運営するサービスもあるでしょうし、逆に有効期限そのものを設けないサービスもあると思います。
僕の場合は、
長期的に利用していただいている方が、今までのペースを無理に変えることなく続けられること
を優先しました。
その結果、
57枚をすべて繰り越し、更新後の合計153枚を週2回ペースで消化できるよう、有効期限を10ヶ月に延長する
という判断になりました。
Webサービスを運営していると、こういう細かな判断が本当にたくさんあります。
価格設定、返金、休会、退会、更新、例外対応。
最初からすべて完璧なルールを作るのは難しいです。
だから僕は、実際のユーザーの行動を見ながら、
その都度、サービスを少しずつ改善していけばいい
と思っています。
こうした泥臭い調整も含めて、オンライン事業の面白さです。
今後も、表からは見えにくい「ウェブサービス運営のリアル」について、実体験をベースに発信していきたいと思います。
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