こんにちは、リョウです。
僕はこれまで7年以上、オンライン英語コーチングサービス「RYO英会話ジム」を運営してきました。
スクールを長く運営していると、レッスン内容や集客だけではなく、意外と難しい問題にぶつかります。
その一つが、
「休会・退会をどう扱うか?」
という問題です。
最初は僕自身も、
「できるだけ生徒さんの希望に柔軟に対応したい」
という気持ちが強くありました。
もちろん、その考え方自体は今も変わっていません。
ただ、長く運営しているとわかってくることがあります。
柔軟に対応することと、ルールを曖昧にすることは、まったく別物です。
むしろルールを曖昧にすると、生徒さんにとっても運営側にとっても、あとからわかりにくい状態が生まれてしまいます。
今回は、7年以上英語コーチングサービスを運営する中で、試行錯誤しながらたどり着いた「休会・退会ルール」について紹介します。
英会話スクールだけでなく、オンラインサロン、コーチング、コミュニティ、サブスク型サービスなど、継続課金型のWebサービスを運営している方にも参考になる部分があると思います。
「また再開します」は、運営上かなり難しい言葉だった
スクールを運営していると、
「仕事が忙しくなったので、しばらく休みたいです」
「落ち着いたらまた再開します」
という相談をいただくことがあります。
これはもちろん自然なことです。
仕事、育児、出張、転勤、体調など、人生にはいろいろあります。
僕自身も、無理して受講してもらう必要はないと思っています。
問題は、
「また再開します。でも、いつ再開するかは決まっていません」
という状態です。
言葉だけ聞くと、
「退会ではなく休会だから、また戻ってきてもらえる」
ように思えます。
でも、実際に運営してみるとそう簡単ではありません。
3ヶ月後。
「そろそろ再開されますか?」
とメールを送る。
返信がない。
しばらくして、もう一度メールする。
それでも返信がない。
場合によってはさらに確認する。
これを一人ひとりにやっていると、少人数ではそれほど問題にならなくても、在籍者が増えるにつれて確実に運営コストになります。
しかも、相手にとっても、
「まだ忙しいんだけど、またメールが来た……」
という心理的な負担になる可能性があります。
誰も得をしません。
そこで僕は、休会という制度そのものを見直しました。
今は「再開予定が決まっている人だけ休会」にしている
現在、RYO英会話ジムでは休会期間を最大3ヶ月にしています。
そして重要なのが、
休会する時点で、ある程度再開時期を決めてもらう
ということです。
逆に、
「いつ戻れるかわからない」
「半年後かもしれないし、1年後かもしれない」
という場合には、退会をおすすめしています。
ただし、退会したからといって、その人との関係が完全に終わるわけではありません。
希望がなければアカウントやこれまでの学習データは残しますし、再入会も可能です。
つまり、
休会=再開時期が見えている一時停止
退会=いったん契約を終了して、必要になったらまた戻る
と分けています。
この整理をしてから、かなり運営しやすくなりました。
一番効果があったのが「銀行振込は先払い」
そして、僕がこれまでルールを変えてきた中で、
一番うまくいったと感じている仕組み
があります。
それが、
銀行振込の方が休会する場合、再開後の受講料を先に支払っていただく
というルールです。
最初に聞くと、
「そこまでする必要あるの?」
と思う方もいるかもしれません。
でも、これは売上を確保することが一番の目的ではありません。
本当の目的は、
「本当に再開する予定があるか」を明確にすること
です。
「また再開します」
と言うこと自体には、ほとんどコストがありません。
でも、
「再開する予定なので、その分の受講料を先に支払います」
となると話が変わります。
実際に再開する意思がある人だけが休会を選ぶようになります。
結果として、
再開予定のない休会希望をほぼなくすことができました。
これはかなり大きな改善でした。
「在籍者を多く残す」ことが正解とは限らない
Webサービスを運営していると、
在籍者数
継続率
解約率
などの数字が気になります。
もちろん僕も見ています。
だから、
「できるだけ退会者を出さない方がいい」
と思いがちです。
でも、長く運営してきて考え方が変わりました。
大切なのは、
名目上の在籍者を増やすことではなく、本当にサービスを利用する意思のある人との関係を残すこと
です。
「いつか戻ります」
という人を何十人、何百人と休会者として抱えていても、それは実質的な在籍とは少し違います。
それどころか、
再開確認
決済管理
顧客情報管理
問い合わせ対応
などが増えます。
つまり、数字の上では在籍者が多くても、運営効率は悪くなってしまう可能性があります。
そこで僕は、
再開予定が決まっていない人には、一度きれいに退会してもらう
方が、お互いに気持ちいいのではないかと考えるようになりました。
本当に必要になったら、また戻ってきてもらえばいい。
その方が健全です。
一方で、すべてをルール通りにするわけでもない
ここまで読むと、
「かなり厳格なスクールなのかな」
と思うかもしれません。
実際は逆です。
僕はむしろ、長く利用していただいている方にはかなり柔軟に対応しています。
その代表例がチケットの繰り越しです。
基本的には、チケットには有効期限があります。
休会したからといって、自動的にすべてのチケット期限が延長されるわけではありません。
病気や怪我、出張など、やむを得ない事情がある場合には繰り越し申請をしていただく仕組みにしています。
ただ最近は、
長く継続していただいている方
普段からしっかり受講されている方
一時的な事情でチケットが余ってしまった方
などについては、かなり柔軟に対応するようになりました。
場合によっては、上限を設けず繰り越しすることもあります。
でも、この柔軟対応はあえてルールに書いていない
ここも、長く運営してきて学んだことです。
たとえば公式ルールとして、
「6ヶ月以上継続された方は、チケットを無制限で繰り越せます」
と書いたとします。
すると、それはその瞬間からサービス提供側の裁量ではなく、利用者の権利になります。
「私は7ヶ月利用していますよね?」
「この場合は全部繰り越せますよね?」
となります。
しかし実際には、
受講頻度
これまでの利用状況
余った理由
残りチケット数
休会理由
などによって状況はまったく違います。
だから、ここはあえて細かくルール化していません。
基本ルールは用意する。
そのうえで、
長く利用してくれている方には、人として柔軟に対応する。
今はこの形が一番いいと考えています。
「何でもOK」は、必ずしも顧客ファーストではない
僕もサービスを始めた頃は、
「できるだけお客様の希望を聞くことが顧客ファースト」
だと思っていた部分があります。
でも今は少し違います。
何でもOKにすると、
例外対応が増える
人によって対応が変わる
スタッフが判断できなくなる
過去の対応履歴を確認する必要が出る
問い合わせが増える
ということが起こります。
その結果、サービス全体の運営が複雑になります。
そして運営が複雑になれば、最終的にはサービス品質にも影響します。
だから僕は今、
「制度はシンプルに、個別対応は柔軟に」
という考え方を大切にしています。
ルールとは、お客様を縛るものではなく「迷わなくするもの」
休会や退会のルールを作ると、
「厳しく感じられないかな」
「退会しやすくしたら売上が落ちないかな」
と不安になることがあります。
僕もそうでした。
でも実際には、ルールが明確な方が利用者も迷いません。
休会なのか。
退会なのか。
いつ再開するのか。
チケットはどうなるのか。
支払いはどうなるのか。
これらが最初からわかっていれば、余計なやり取りも減ります。
良いルールとは、お客様を縛るためのものではなく、お互いの認識を合わせるためのもの。
7年以上運営してきて、そう思うようになりました。
Webサービス運営では「小さな面倒」を放置しない
今回紹介した休会制度も、一つひとつを見ると小さな話です。
再開確認メールを1通送る。
返信がなければもう1通送る。
チケットについて相談する。
支払いについて確認する。
一人なら大したことはありません。
でも、
10人
50人
100人
と利用者が増えていくと、こうした小さな作業が積み上がっていきます。
Webサービスを運営する上では、こうした
「毎回ちょっと面倒なこと」
を見逃さないことが大切だと思っています。
その面倒は、個人の頑張りで解決するのではなく、
ルールや仕組みそのものを改善して消せないか?
と考える。
今回の、
「再開予定が決まっていないなら退会」
「銀行振込の休会は再開分を先払い」
という仕組みも、その一つです。
7年以上運営して、ようやく現在の形になった
最初から今のルールだったわけではありません。
実際の生徒さんとのやり取りの中で、
「これはわかりにくいな」
「この対応、毎回やっているな」
「このルールだと曖昧な人が残ってしまうな」
と気づくたびに少しずつ変更してきました。
サービス運営って、最初に完璧なルールを作るものではないのかもしれません。
実際に運営して、
問題が起きて、
改善して、
また運営する。
その繰り返しです。
そして今のところ、僕がたどり着いているのは、
休会は、本当に再開する人のための制度にする。
再開予定がないなら、一度退会してもらう。
基本ルールは公平にする。
ただし、長く利用してくれている人には柔軟に対応する。
という形です。
これは英会話スクールに限った話ではありません。
オンラインコーチング、コミュニティ、サブスク、会員制サービスなど、人が継続的に利用するサービスなら共通する部分があると思います。
在籍者を無理に残すことより、
本当に必要なときに、気持ちよく戻ってこられるサービスにしておくこと。
長期的には、その方が利用者にとっても運営者にとっても健全なのではないか。
7年以上運営してきた今は、そんなふうに考えています。
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