- 1 海外ノマド生活で想定外の医療費6万円。4歳の息子の歯科治療で学んだ「長期滞在のリスク管理」
- 2 始まりは、ほんの小さな歯ぐきの腫れだった
- 3 BGCの歯医者へ。まず感じたのは「料金が読めない」
- 4 レントゲンを撮ると、ただの歯肉炎ではなかった
- 5 実は治療費より、診察費の積み重ねが大きかった
- 6 さらに想定外だったのが「子どもが治療できない」問題
- 7 抗生剤で症状はかなり改善した
- 8 「日本に帰れば安い」が簡単に使えないのが海外在住
- 9 日本の国民健康保険「海外療養費」が使える可能性もある
- 10 海外ノマド生活で「現金余力」が必要な理由
- 11 海外ノマドでは「英語力」もリスク管理になる
- 12 海外生活は「安い国を選ぶ」だけではうまくいかない
- 13 まとめ|海外ノマドの自由には「自分で判断する力」が必要
海外ノマド生活で想定外の医療費6万円。4歳の息子の歯科治療で学んだ「長期滞在のリスク管理」
海外ノマド生活というと、
「日本より生活費が安い」
「好きな国で自由に暮らせる」
「仕事をしながら海外を転々とできる」
といったメリットが注目されがちです。
僕自身、2020年から海外を拠点にノマド生活を続けています。
ただ、実際に家族で海外生活をしていると、家賃や食費だけでは見えてこないコストがあります。
その一つが、医療費です。
今回、マニラ滞在中に4歳の息子の歯ぐきが突然腫れ、歯医者を何度も受診することになりました。
最終的にかかった費用は、診察と治療を合わせて約23,500ペソ。日本円で約6万円。
しかも、単純に「お金がかかった」という話ではありません。
海外で子どもが病気になったとき、
どこへ行くのか、治療を受けるのか、待つのか、保険は使えるのか。
すべて自分で調べ、判断する必要があります。
今回は、この経験から感じた「海外ノマド生活で本当に準備しておいた方がいいこと」をまとめます。
始まりは、ほんの小さな歯ぐきの腫れだった

最初に息子が、
「歯が少し痛い」
と言いました。
ただ、その痛みは一時的。
熱もなく、食欲もあり、普通に遊んでいたので、最初はそこまで気にしていませんでした。
ところが歯磨きをしていると、
右側と比べて、片側の歯ぐきだけ少し膨らんでいる
ことに気づきました。
翌日になると、さらに少し腫れているように見えます。
海外にいると、こういうとき地味に迷います。
「すぐ病院へ行くべきか」
「もう少し様子を見るか」
「どの病院なら信用できるのか」
日本なら近所のかかりつけ医へ行けば済む話でも、海外だとまず病院探しからスタートします。
BGCの歯医者へ。まず感じたのは「料金が読めない」
僕たちはマニラのBGCに滞在しているため、まず周辺の歯科医院を調べました。
BGCやマカティには、
- 外国人向け
- 富裕層向け
- 設備の整った大型クリニック
が多くあります。
安心感はある一方で、価格も高めです。
さらにフィリピンでは日本のように全国一律の保険点数があるわけではないため、
同じ治療でもクリニックによって料金がかなり違います。
これが海外医療の難しいところです。
「ちゃんとした歯医者に行きたい」
でも、
「高額請求は避けたい」
このバランスを毎回考えることになります。
レントゲンを撮ると、ただの歯肉炎ではなかった
最初は、
「歯ぐきの炎症かな」
くらいに考えていました。
しかし診察とレントゲンを受けると、虫歯や歯の根の炎症が疑われました。
さらに専門的な診察を受けた結果、提案されたのが、
Pulpectomy
という治療です。
日本語でいうと、乳歯の根の治療。
虫歯などによって感染した神経を取り除き、歯の根の中をきれいにします。
その後、
Stainless Steel Crown
という銀色のクラウンを被せる治療を提案されました。
見積もりは、
Pulpectomy:9,500ペソ
Stainless Steel Crown:6,000ペソ
合計、
15,500ペソ
でした。
当時のレートで約4万円です。
日本で子どもの歯科治療を受けている感覚からすると、かなり高く感じます。
実は治療費より、診察費の積み重ねが大きかった
今回、最終的な治療費だけを見ると15,500ペソです。
でも、その前に何度も診察を受けています。
実際にかかった診察関連の費用は、
2,500ペソ
2,500ペソ
1,500ペソ
1,500ペソ
合計、
8,000ペソ。
つまり、
診察 8,000ペソ
+
治療 15,500ペソ
で、
総額23,500ペソ。
約6万円です。
海外生活では、この「治療そのもの以外の費用」が意外と積み重なります。
診察、検査、レントゲン、薬、再診。
そして、
「このクリニックで本当に治療していいのか?」
と迷えば、セカンドオピニオンにもお金がかかります。
さらに想定外だったのが「子どもが治療できない」問題
実は、一度治療を試みました。
ところが息子が麻酔の針を見て怖がってしまい、泣いて治療できませんでした。
これも、子連れ海外生活ならではの難しさだと感じました。
大人なら、
「必要な治療だから我慢しよう」
と判断できます。
でも4歳児には通用しません。
以前、日本では、
表面麻酔
↓
局所麻酔
↓
神経治療
までできたことがあります。
それでも、
知らない国、知らない先生、知らないクリニック。
そして目の前に針。
これだけ条件が変われば、怖くなるのも当然です。
そこで出てきた選択肢が、
Nitrous Oxide Sedation
いわゆる「笑気ガス」でした。
子どもの不安を軽減し、リラックスした状態で治療する方法です。
ただ、マニラでは対応している歯科医院自体がそれほど多くありません。
しかも、使えば当然治療費もさらに上がります。
海外ノマド生活では、こういう「予定外のオプション」が急に必要になることがあります。
抗生剤で症状はかなり改善した
治療できなかったため、別の抗生剤を処方してもらいました。
これがかなり効きました。
最初は歯ぐきに白いできもののようなものもありましたが、
- 腫れがほぼ消える
- 白い部分もなくなる
- 痛みなし
- 発熱なし
という状態まで改善しました。
ただし、ここで難しいのが、
「症状がなくなった=根本的に治った」ではない
ことです。
虫歯や歯の根に感染が残っていれば、再び腫れる可能性があります。
つまり、
「今すぐ治療するのか」
「少し待てるのか」
「日本帰国まで待つのか」
という判断が必要になります。
海外生活では、こうした医療判断にも、
滞在期間・費用・保険・帰国予定
が絡んできます。
「日本に帰れば安い」が簡単に使えないのが海外在住
日本で子どもの歯科治療を受ければ、自治体の子ども医療費助成によって自己負担が非常に小さいケースがあります。
僕の場合、日本の住民票は吹田市です。
日本なら数百円程度で済む治療でも、海外では数万円になることがあります。
では、
「日本まで待てばいいじゃん」
となるかというと、これも簡単ではありません。
僕たちは長期間海外に滞在しています。
帰国予定が数か月先なら、
その間に再び腫れたり、痛みが出たりする可能性があります。
海外ノマド生活では「日本だったらどうするか」ではなく、「今いる国でどうするか」を考えなければならない場面がある。
これは実際に住んでみないと、なかなか見えない部分です。
日本の国民健康保険「海外療養費」が使える可能性もある
今回調べて初めて、改めて重要だと思ったのが、
海外療養費制度
です。
日本の国民健康保険に加入していて、治療目的で海外へ渡航したわけではなく、滞在中に病気やケガで現地の医療機関を受診した場合、
帰国後に医療費の一部を申請できる可能性があります。
ただし、
海外で払った金額の7割がそのまま戻ってくるわけではありません。
日本で同じ治療を受けた場合の保険診療相当額を基準に計算されます。
つまり、
海外で6万円払ったから、
4万円以上戻る、
という仕組みではありません。
それでも、今回のような
- 診察
- レントゲン
- 虫歯治療
- Pulpectomy
- クラウン
などは、日本でも通常行われる治療です。
そのため、領収書や診療明細をきちんと残しておけば、帰国後に申請する価値は十分あります。
海外ノマドを長期間するなら、
「医療費はいくらか」だけでなく、「帰国後に何を申請できるか」まで知っておく
のはかなり大事だと思います。
海外ノマド生活で「現金余力」が必要な理由
今回、改めて感じたのが、
海外生活では、ある程度の現金余力を持っておいた方がいい
ということです。
例えば今回、
「6万円くらいなら払える」
という状態だったから、
複数の歯医者を比較したり、
治療法を検討したり、
急いで一番安いクリニックを選ばずに済みました。
もし手元資金がギリギリだったら、
「一番安いところに行くしかない」
という判断になっていたかもしれません。
海外ノマドの生活費を計算するとき、多くの人は、
家賃
食費
交通費
SIM
コワーキングスペース
などを考えます。
でも、本当に長期滞在するなら、
医療費の予備資金
も生活費の一部として考えた方がいいです。
特に家族連れならなおさらです。
海外ノマドでは「英語力」もリスク管理になる
今回、
症状説明から治療内容、費用、麻酔、保険書類まで、
ほぼすべて英語で確認しました。
例えば、
「神経まで達していますか?」
「今すぐ治療が必要ですか?」
「この金額に麻酔代は含まれていますか?」
「別の治療方法はありますか?」
「領収書の明細をください」
などです。
海外ノマドにとって英語は、
「外国人と友達になるためのスキル」
だけではありません。
トラブルが起きたとき、自分で情報を集め、判断するためのスキル
でもあります。
これは海外生活を長く続けるほど実感します。
海外生活は「安い国を選ぶ」だけではうまくいかない
フィリピンは、日本と比べれば生活費を抑えやすい部分もあります。
一方で、
BGCやマカティの私立医療、
輸入品、
インターナショナルスクール、
高品質なサービス
などは決して安くありません。
海外ノマド生活を考えるとき、
「家賃が日本より安い」
だけで生活費を判断すると、実際とのギャップが生まれます。
大切なのは、
その国で、自分がどんな生活レベルを求めるのか。
子どもがいるなら、
教育、医療、安全性まで含めて考える必要があります。
今回の歯科治療は、そのことを改めて実感する出来事でした。
まとめ|海外ノマドの自由には「自分で判断する力」が必要
海外ノマド生活には、大きな自由があります。
好きな場所で仕事をして、
好きな国で暮らして、
自分のライフスタイルを作れる。
僕自身、その生活を気に入って続けています。
ただ、自由である分、
何か起きたときに自分で判断する場面も増えます。
病院を探す。
料金を比較する。
治療方法を確認する。
保険制度を調べる。
必要ならセカンドオピニオンを取る。
今回、4歳の息子の歯科治療だけでも、これだけの判断が必要でした。
海外ノマド生活で大切なのは、
「安く暮らす方法」を知ることだけではなく、「予想外の出来事が起きても対応できる状態を作っておくこと」
だと思います。
海外で長く暮らすなら、
医療保険、緊急資金、英語力、信頼できる病院の情報。
こうしたものも含めて、ノマド生活の準備です。
キラキラした部分だけではなく、こうしたリアルも含めて、
海外で自由に暮らす力
なのだと今回改めて感じました。
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